個人相続税のないタイ
個人相続税のないタイ
日本の場合、法人の場合は社長が代わっても相続税がない。
それはタイも同じでありますが日本と大きな違いは現在、タイでは個人に対する相続税が無いことでありましょう。日本ではお爺ちゃん(祖父)の代に築いた財産は3代続けば殆ど無くなってしまう。
タイでは生前相続であろうが、死後相続であろうが親の財産は無税でその子どもに相続され、一度、財を築けばバカ息子ができて親の財産を浪費しない限り、永久にお金持ちである。どこの世界でもお金がお金を呼び、雪だるま式に財というものは増え続けるのではないでしょうか。お金のあるところに美味い話は転がってきて、その匂いを嗅ぎつけて優秀な人材も集まる。その逆が貧乏人であります。
国民の80%を占める農民や労働者はいくら働いても一生貧乏だし、出稼ぎにも行かなければならない、借金のかたに娘を奉公に出すことさえある。自分の代だけなら諦めもつくだろうが、末代にわたってお金持ちになる可能性は限りなくゼロに近い。
現在のラッタナコシン朝、その前のトンブリ王朝がビルマの侵略を防ぎ、王朝を打ち立てる時に、華僑の力を利用した関係で華僑の立場はより強固なものになりました。
主に浙江省や湖州の人々で、その子孫の人たちが現在もタイの経済を牛耳っています。勤勉で(タイ人に比べたら)団結心が他の中国人よりも強く、経済に明るいという民族的な長所にも恵まれて殆どの経済の分野でその中心的な役割を担っています。
タイの大学に行けば90%以上の確率で華僑の子孫、或いは華僑とタイの混血の子孫の生徒で占められています。能力的にも差はあるのでしょうが、何といっても日本の大学と同じような学費を支払える能力のある家庭は華僑、或いは準華僑くらいしかいないのではないでしょうか。タイの華僑はタイの国籍を取り、タイ人化政策に従い母国語を殆ど話せないのが他のアジア諸国の華僑とは異なる点です。
タイには大きな財閥が4、5社ありますが、ひとつはインド系の財閥で他は全て華僑です。中国人を利用したタイ人の方が一枚上手か、面目を捨て実利を取った中国人が上手か話題の尽きない話ですが、後塵を踏んだ我が日の丸の部隊はその地に根を張ったものではないだけに「砂上の楼閣」のように見えるのは私だけでしょうか。
そんなような理由で日に日にお金と能力を持つ華僑と持たざるタイ人(コンタイ)との間には貧富の差が広がっているのであります。
現在のタイの首相はチェンマイ出身、準華僑系のタクシン・シノワ氏であります。彼は警察官僚の秀才でアメリカの大学院を卒業し、マスターの称号を持ち、国内には通信会社などを持つ大金持ちであります。遅ればせながらタイでも個人相続税の是非を巡り、国会で論議が始まりましたが彼は既に彼の会社の株式の全てを娘と息子に相続させてしまい、もしこの相続税の法律が成立しても何の影響も受けない立場にあります。
国会議員の先生たちもみんな資産家の出身の人たちですので、80%を占める貧困層の人たちはこの法律が成立するなどとは考えておらず、また関心も無いようです。
おわり








