コーヒーブレイク
ちょっと一息 コーヒーブレイク
日本とタイを飛行機で往復していると最近目立つのは熟年夫婦の団体ツアーだ。必ずといって良いほど全員がナップサックを背中に背負ってどこか登山にでも行きそうなスタイルである。昔と違って団体旅行なのに添乗員は付いていない。それだけ海外旅行というものが一般 化して右も左も分からなくはなく、大体のことは自分達で処理できるまでになったのだろう。海外旅行というのが珍しく不安な気持ちで旅行した時代から、海外旅行の楽しみ方を知った上で趣味を加味した旅行の選択の方向へ確実に変化していると感じる。
そういえば日本でハイキングやトレッキング、登山といた形態の旅行が熟年層に人気があり、取扱客が増えているという。私の飛行機の中で見る風景はその一連の流れの一部分なのであろう。会社を定年退職し、時間と金銭的に余裕がある。日々多忙の中で生き
てきたストレスから解放され、永年迷惑をかけてきた伴侶に対して少しでもその労に報いるいう意味も含めてゆっくりと旅行をしたいという願望は分かるような気がする。
旅行とは「さすらい」である。通り一遍に通常の生活とは異なった環境に自分を置くことである。一時的な気分転換、新しい文物の発見にはなるであろう。
しかし老後をいかに楽しく過ごすか、という観点からすれば彼らのしていることは何らその解決策にはならないのではないだろうか。私の見ている人達はおそらく65歳前後の人達だと思う。平均寿命からすれば男性はあと10年、女性は20年余生がある。どのような生活をその人達はするのであろうか?そんなことは他人には関係ないだろうと言われればゴメンナサイと言わざるおえない。
けど私はその飛行機の中の人達を見ているといつも「よそよそしさ」を感じるのです。何か自分の意思で生きていない、それ位のものしか見つからないからそうしてるように見える。もっと自分のしたいこと、やりたいことがあるはずだ、ただそれが何か見つけられないだけ。自分と同じような境遇、年齢の人としか行動を共にできない悲しさ。若い人達との交流の場を設けなければこの人達はどんどん老け込んでしまうでしょう。
40年も仕事一筋にやってきて余生十数年の楽しみがこれではないだろう。日本でのボランティア、海外青年協力やJICAなどの活動にこの人達の経験や技術を生かせないだろうか。
名称は「老年ボランティア隊」、「老年海外協力隊」にしてはどうだろうか。そういった生き甲斐を見つけられたら、この人達はおそらく命をかけてでもやり遂げるに違いない。遊びでも仕事でも人間の真剣な時の眼差しは全く違う。飛行機の中の人達からはこの眼差しは一人も見受けることができなかった。
私事で恐縮ですが、私は若い時に遊ぶ時間が持てなかった。元来、顔もスタイルも良くないので女性には持てなかった。必然的に仕事のほうに意識が行ってしまったことも事実だと思う。今年53歳になるが若い時の反動で「女狂い」をしている。真剣にやっている。実に楽しい。何でも良いからひとつ真剣に取り組めるものが欲しい。
日本では高齢化の波が押し寄せ、社会やその渦中にいる人でさえも如何に高齢化を生きるかの知恵が不十分だ。それはこれから解決しなければならない問題なのだろう。家で孫をあやしたり、ゲートボールをしたり、老人会に参加するといった従来型ではなく、良く考えればもっと有意義な時間の使い方や独創的で垢抜けた楽しい遊び方が有るように私には思えてならない。
おわり








