金欠病の女

金欠病の女

パタヤに長く住んでいると御利益的なことも時々遭遇する。

それは客を接待してあるパタヤタイにあるA GOGOに行ったときである。日本から来る客には私は必ず一回はこの店に案内する。

というのは、この種の店は絶対に日本にはないし、また有ったとしても日本ではその週のうちに当局より手入れを受けて営業停止に追い込まれそうな店だからである。

バンコックのソイカウボーイ、ソイナナ、RCAに行ってもこれだけのサービス内容と女性の質が整った店はまず見つけるのが困難であろうと思う。どういう店かというと、これはもう伝説になってしまったが香港が今のような発展を遂げる前にカオルーンのネイザン通りの一本裏に「ボトムアップ」という店があった。この店の名前を聞いただけで「ああ、あそこか」と思う人があるとすれば余程の海外旅行のプロであるか、香港に暮らしていた人くらいであろう。そこは楕円形のカウンターテーブルが備え付けられてあり、そのテーブルから少し低くなった所に(ボトム、底)デンマークのコペンハーゲンにある人魚(グリム童話集)の姿のように上半身が裸の女性が座っているのである。

女性の座っている所は回転式に回り、一分で一回転するようになっていて客はそれを見ながら酒を飲むという趣向なのである。

現代の風俗ではそんな呑気な仕掛けでは客は満足しないのは分かりきっている。そこで誰が考えたか、今度はその女性のいる所をカウンターと同じ高さにして、天井からポールを床に差し込み、踊り子はそのポールに掴まって半裸で踊り捲くる、というアイディアなのである。これがいわゆる、A GOGOでフィリッピンやタイなどで良くみかけるバーである。しかし、私の案内する店は更に進歩しているのである。

黒いカウンターの丸テーブル(半径50センチ)の上に女性が立って踊り、客はその女性を見上げる形で酒を飲み、踊り子は興が乗ると赤ちゃんのオムツのようになっているスカートのホックを外し中は何も纏っていない状態で踊るのである。下から見ていた客は「観音様」を拝む形で女性の秘部を見られるという寸法である。アングルで見え難い客の為にはその映像が黒いテーブルに反射するので下を見ても「観音様」を拝顔できるシステムになっている。

それだけではなく、フロアには沢山のホステスがうろついていて、好きそうな客がいると媚を売って一杯のドリンクをご馳走になろうとする。

あわよくば連れ出してもらって余禄を食もうとする。

だから客とすれば、見て満足して触って感じるという両手に花の至れり尽くせりの仕掛けのである。

私はまずパタヤに到着すると第一日目にそこを案内するので、大概の客はそこで沈没してしまう。例に漏れずに私の客はこの夜、ここで日本人好みのちょっとグラマーなそれでいて可愛い、愛嬌のありそうな女性に引っ掛かってしまった。

この女性、私の客を気に入らないのか、中々「お持ち帰り」に納得をしない。

むきになって客は金に物を言わせて女性を口説こうと必死である。

何と結論はショートなら付き合ってあげる、ということになって大枚一枚をせしめたのである。日本では安いと思われるであろうが、ここタイでは日本円の大枚は大金である。普通の労働者が一ヶ月で稼げるのがこの大枚一枚なのだから。

すっかり出来上がった客は店の外で女性が出てくるのを待つ。

暫くして着替えを済ませた女性がカジュアルな服装で現れる。

その数歩後ろからもう一人の「女」がついてくる。

年の頃は27,8といったところ。

少し太めではあるが、やはりグラマーだ。日本人には受けないがファランにはひょっとしたら受けるかもしれない。捨てる神もあれば拾う神もあるということだ。

でも関係ない。私には。

どうせこの女性のメイドか同郷の誼で遊びに来たのだろうとくらいしか思わなかった。

女性は客とホテルに行くので、この「女」、店の外でバイバイとなるかと思うと、女性と車に乗りホテルまでついてくる。

客とどうなってんだ、とばかり目を見合わせたが、今日は二輪車ですかね?なんて冗談を言いながらもホテルに着いてしまった。

私は客をホテルまで送ればお役目終了。それではと挨拶を交わしてロビーを出ると客の女性が一生懸命に「女」に目配せする。

「女」は行く場所を失い目を右に左にキョロキョロするばかり。

どうしたのかと女性に聞くと、何も言わない。

「女」にどこに行くのだ、と聞くと「パイ・ドウアイ」と小声で下を向いたまま答える。

え!俺は今日はいらないよ。だってまだ仕事が残っているんだから。

「パイ・ドウアイ」

おいよせよ!俺の趣味じゃないよ。

「パイ・ドウアイ(一緒に行く)」

これは押し売りじゃないか!!

仕方がないな。日本人は本当に人が良い。嫌とは言えない性分なのだ。

けど内心では裏腹にラッキーと思っているのかも。

本当に仕方なくこの「女」を連れて雨の中を次の仕事場に向かう。

我々の仕事は夜に女性を連れていても、そんなに客に対して失礼になるわけではないし、却って遊びに華を添える形となって喜ばれることも稀ではない。

次の仕事は一時間で終わって、あらためて「女」に質問する。どうしたんだ?

「マイミー・タン(お金が無い)」

あ、そうか。この「女」はあの女性からお金を借りているか、同じアパートに住んでいてシェアー分を払えないのだな。

あの女性は何とかこの「女」に稼がせて借金を回収しようという腹だなと。

まあいいや。いくら欲しいのよ。

「レオ・テ(貴方任せ)」

そうか!!

とりあえず疲れたので「女」を連れてアパートに帰る。

こういう場合、男が優位の立場は非常に「女」に対して攻撃的に(サディスティック)になれる。別に恋愛感情もあるわけではないので動物的だ。

ただやり耽るのみである。

「女」を裸にして良く観察すると妊娠線はあるわ下膨れはしているわで性欲が減退すると思ったがどうして、息子はすぐにレスポンスする。

すぐに息子をしゃぶらせ「女」の性感を高めさせる。こちらは冷静だ。ひとつ高い見地から「女」のしている行為を眺めている。

お互い太目なので「女」を四つん這いにさせバックからまず挑む。

十分に「女」の秘部は潤っておりスムーズに私を受け入れた。

面白いもので激しくインサートを繰り返しても頂点に達しない。

卍固め、女騎上位など「女」をクルクル回しながら体位を変えて、あの手この手と秘技を駆使したために「女」はすっかり感極まって放心している。

隣の部屋に聞こえそうな大声を出すのでタオルを銜えさせ声が漏れないようにしてまた挑む。男にとって「いかない」ということは苦痛である。

そう思えば思うほどいかなくなる。

疲れて、喉が渇き、息子も少々バテ気味になったので少し横になる。

20〜30分するとまた息子がムズムズしてベッドに亀頭が擦れて元気になる。

「女」を叩き起こしてまた挑む。

これを繰り返すこと5回、朝6時に「女」が帰ると言うまで続ける。

何と1時から5時間の間に5回。1時間に1回というペース配分である。

良くもやりもやったりである。「女」も良く耐えた。金欲しさの為か、自分も良かったのか、「女」は何も文句は言わなかった。

頼んだ経緯が経緯だから文句は言えなかったのか、余りにもその態度が殊勝であったので1000バーツにチップ500バーツを付けて帰した。

私にしてみれば人助けをしたみたいな、ボランティアをしたみたいな、非常に良い買い物をしたみたいな変な気持ちではあったが、まあ満足している。

その後その店にまた行ったが、なんとその「女」はホステスとして働いているではないか!私を見るとまたニタニタしながら私の方に近寄ってきた。

知らぬ間柄ではないのでホステスドリンクは奢ってやったが、もう二度と持ち帰りをするつもりはない。

その「女」は別れ際に

「パイ・サワーン・レオ(天国に行った)、コープクン、カ」

と私に言った。

「それはそれはよかったね、けど俺は疲れたよ」と私は呟いた。