コーヒーブレイク -夢-(エロ修行僧)

-夢-(エロ修行僧)

夜の托鉢はピンクの衣。

神の思し召しにより夜毎パタヤの町を徘徊して恵まれない人々に生活の糧を施す。

夜風の冷たい海岸に立つ人を見れば「大丈夫か?」と声を掛け、店の前で呼び込みをする娘に会えば「頑張れよ!」と激励する。

特設ステージでA GOGOを踊る人を見つければ悩みを聞き、子持ちのホステスに会えばその子どもの為と称し過分の心づけを与える。

年増の人から相談されれば「顔やスタイルばかりが全てではないよ」と慰め、体の不自由な人に出会えば快癒を祈願して手当てをする。

ある日、エロ修行僧は田舎から出てきたばかりの三人の娘と出くわす。

その娘たちはエロ修行僧に「何か働き口はないか」と相談する。

エロ修行僧は迷わず知り合いのビアバーを紹介してビアバーからお布施を頂戴した。

また借金に苦しむ家庭に容姿端麗な娘がいれば短期間に高収入が得られ、借金が返済できると口説いてソープランドに口入れする。

実技指導が必要とあらば自ら実験台に立ってテクニックの全てを伝授する。

学費を払えなくて困っている学生が援助交際を望めば「そんなことは止めろ」と言うかと思えば、僧堂の中に連れ込んで自己の欲望を満たす。

男色の人から誘いを受ければその要求に素直に応じ、衣の裾を捲くり上げ体をくの字に折り曲げお尻を突き出す。

雨がそぼ降る初夏の早朝、エロ修行僧はいつものように托鉢に町に出ていた。

お寺に戻るソイの入り口に傘を捧げ持った娘が私を待っている。

細面ですらりとよく伸びた手足に特徴がある。朝シャンをした濡れた髪が肩まで掛かっている。蓮の花とちまきのお布施のようである。

エロ修行僧はおもむろに立ち止まり娘の捧げ持つ傘の中に身を委ねる。

衣の中から鉢を取り出してて娘の前に据える。

戒律により女人とは目を合わせてはいけない。無論、女人の服の中を想像することなどは厳禁である。

雑念を排し、機械的に捧げだされた供物を受け取るのみである。

だが、その娘は供物だけではなくニム(微笑み)をもエロ修行僧に捧げたのである。

エロ修行僧の逸物は一瞬緊張して固くなりかけた。

いけない!絶対にいけない、ダメだ!そんな不浄なことは!

しかし思えば思うほどエロ修行僧の逸物は自分のコントロールから離れていくばかりだ。それもその筈である。この三ヶ月間女色を断っている。エロ修行僧にとっては冷静になれと言う方が酷である。

否、動物と化したエロ修行僧の逸物には何を言ってももはや無理なのである。

全く理性の効かない状態に追い込まれている。

今、硬直はその極致に達している。

娘はそれに気がつくと「キャー」という金切り声を発して、さしていた傘を投げ出して身を翻した。

そして、その場を去ろうとして体の向きを変えた瞬間、エロ修行僧の突き立っている衣の一部に手が触れてしまった。

修行の中で最大戒律の一つである「異性の体に触れてはいけない(不邪淫)、触れられてはいけない」という戒律をこのエロ修行僧と娘は犯してしまったのである。

ボヨヨヨーン

突き立った逸物が横に曲げられたと思いきや、今度は勢いよく振り子のように元の位置に戻ろうとする。

ボヨヨヨーン

その振り子が2〜3回振り幅を繰り返したかと思いきや修行僧は苦痛の表情を示し、ウッと低い唸り声を上げた。

するとどうであろうか、エロ修行僧の衣の一部が濡れて黒い斑点のような模様が浮き出てきたのである。続いて青臭いニオイが辺りに漂い、一見してエロ修行僧が悦楽の園に遊んだ、ことがこの娘にも理解できた。

「キャー」という二度目の悲鳴を上げて娘は路地に勢い良く走り込んだ。

エロ修行僧はただぼんやりとたたずんで、その娘の行き先を目だけが追っていた。

体の火照りが癒え、いきり立った逸物が元の状態に戻るまでに少しの時間を要した。

ふと下半身に生温かい異物が溜まっているのに気づき目を覚ました。

そう、エロ修行僧は夢精をしてしまったのである。

それは何年ぶりのことであろうか、とても懐かしくもあり、微笑ましくもある。

あの若き日の再現!

エロ修行僧はまた気を取り戻して歩き出す。

次なる供物をただひたすらに求めて。