ホテルの従業員

12、ホテルの従業員

あれは私がタイに来はじめた頃、長期滞在に適当な一軒家を探していたのですが不慣れなせいか取り敢えず様子を見るために、とあるコンドミニアムに落ち着くことにしました。町の中心部に位置するショッピングにも遊びにも便利なロケーションにあり、一ヶ月の家賃が2ベットルームで2万バーツでした。1階にレストランがあり、毎日殆ど朝食は決まってそこで取るようにしていました。

非常に暇なレストランでいつも1組か2組のテーブルしか占有されていなく、ウエイトレスは2人でホテルの雑用係と兼務でした。一人は顔が黒く、例によって細身の足の線が綺麗で魅力ある20歳の娘でしたがちょっと頭が悪くいつもオーダーを間違うのが「玉に瑕」でした。もう一人の方は榊原郁恵に似た中肉中背、25歳、これはちょっと色っぽいのですが少しこれも頭の状態が芳しくないようで、それに子供が一人いる紐付きです。

どうしても日本人としては未だ日本のイメージが抜けきらないので「榊原郁恵」に興味が行くのは仕方の無いことだと思います。友達がタイに遊びに来ていて、彼女を世話をしようと一生懸命口説いたのですが一向に埒があきません。そうこうするうちに友達も観光客なのですから、すぐ結果を出さなくてはいけないのでこの娘とは疎遠になっていたわけです。

パタヤという町はそんなに大きな町ではないので観光客相手の仕事をしていれば何処かで何時か会うのはそんな不思議なことではありません。例に漏れず彼女とも町のショッピングセンターで再会しました。私は既にその時はこのコンドミニアムを出て一軒家を借りて住んでいましたので、この女性のその後については知識はありません。そこで、「やあ元気かい?」と声をかけました。

「相変わらずよ」

「今もコンドミニアムに勤めているの?」

「私、辞めようと思っているの」

「どうして?」

「だって給料は安いし、人使い荒いし。疲れちゃった」

彼女は延々とコンドミニアムの労働条件に不満を述べている。

「どう、暇だったらお茶でも飲んで行かない?」

「ええ、いいわ」

彼女の腰に手を回す。何も言わないし、拒否の姿勢も見せない。これは可能性あるかな。コーヒーショップでの話はもっぱら楽で稼ぎの良い仕事はないか、この一点に絞った会話で終始していました。

「そんなに稼ぎの良い仕事がしたいならカラオケでもビア−バーでも行けばいいじゃないか?」

「私、紐付きだしスタイルも良くないし」

「でも普通の仕事をしていたら月に1万バーツも稼げないよ」

「......。」

要するに女は皆そうである。まず、自分はいい女であると思っている。でも自信と勇気が無い。どこからか玉の輿が湧いてこないかと考えている。できるだけ高い値段で売ろうとしている。

「誰か日本人の金持ちのスポンサーを紹介してくれない?」

これだよ。来た来た。

「この前、日本の友達を紹介したじゃないか」

「あの時は別に、何も考えていなかったから」

私は彼女の手を取り、車に乗せてモーテルへと向かった。タイの女性はこういう時には絶対拒否反応を示さない。日本の女性の方が態度が曖昧で途中から、はいそこまでよサヨウナラということが良くある。男性から求愛を受けるということは女性にとって名誉なことである位に考えているのだろうか。

「何、あなたが私のスポンサーになるの?」

「いいや、商品を売るのに良くその商品を知らないとね」

「それって ローング チム ドウ (味見)?」

「きっとお金持ちのスポンサーを紹介してくれる?」

「もちろんさ!」

前戯が始まる。以外と積極的に応じる。激しいディープキッス。フェラチオ。口の中の水分を全部彼女に持って行かれたみたいにのどが乾く。睾丸を口の中に飲み込む。これはかなり味を知っている。髪を振り乱して女騎乗位で頂点に登り詰めようとしている。

腰を突き上げるようにして亀頭部分がクリトリスに当たるように工夫して前後に揺さぶる。体がウッスラと汗をかいていたのが全身に及び、私の汗と彼女の汗が入り交じりオイルを体に塗ったように皮膚が触れ合い滑る。女騎乗位を逆女騎乗位にする為に彼女の体を一回転させる。おもむろに私も背を立て後背位で彼女を攻めたてる。彼女は枕と枕の間に顏を埋めエクスタシーに達しようとしている。

そうは問屋が卸すか、背後から彼女の両乳房を掴みあげる。恥丘の下にある森に囲まれた部分に指を差し込み花芯をまさぐり、花弁をいたぶる。完全に彼女の視線は焦点を失い目に白い部分が多くなる。尚も手を緩めず、熱い吐息を彼女の耳に吹き掛け嘗め回す。愛液が溢れ落ちベットシーツを汚す。ウ−。という愛声とともに果てる。暫くは放心状態の為ベットに横たわる。。。

どの位の時間が経過したのだろうか、彼女が使うシャワーの音で我に返った。

「ねえ、私の家に行ってみない?」

「いいよ」

下町のアパートが立ち並ぶ3階の1室が彼女のすみかであった。10坪程の広さで、ベットと洋服箪笥、化粧台があり、そこにメイドがいて彼女の子供を面倒をみている。生後1年程であろうか、まだミルクを飲んでいる。顏だちは明らかにファランである。彼女によれば子供の父親はデンマーク人であるとな。

彼女の妊娠を知るや、何処かにドロン。まことに簡単、明瞭。部屋はエアコンは無く天井に扇風機が回っていて僅かに暑苦しさを紛らわせてくれる程度。タイ人の生活垣間見る思いであった。何故、彼女はこの風景を私に見せたのか?私は今でもその意味が分からない。ただハッキリしていることは、これで私の彼女に対する想いは一気に冷却してしまったことである。彼女に対する想いというよりはタイ人の生活の貧しさに幻滅したのかも知れない。

帰りの際に子供にといってミルク代を1000バーツ渡しアパートを後にしたが、それ以降彼女とは連絡を取り合っていない。金持ちの日本のスポンサーを紹介するという約束は実行できるあてはない。いたとしても二の足を踏むに違いない。彼女が何処で何をして子供を育てているのか全く知る由もない。

おわり